スペシャルインタビュー OrangeLife VOL.10

前野貴德×小笠原侑生
小学生の時から一緒にサッカーをしてきた前野選手と小笠原選手。
ともに愛媛FCのアカデミー出身者の二人だが、大学生活を経て
再び今季、オレンジのユニフォームに揃って袖を通した。
ひと回りも、ふた回りも大きくなって帰ってきた彼らは、
すでにニンスタのピッチでも躍動している!
――今季、ルーキーながら二人ともすでにデビューも飾り、実績を積み上げていっていますが、ここまでのJリーグを戦ってきての印象は?
小笠原「開幕する前に持っていた自信を上回るくらいはできているかな。点はまだ取ってないですけど、正直なところ、けっこうやれるという感触は感じています」
前野「僕は、できている部分と、できていない部分とがあるし、反省や課題はまだまだあるなと。もっと落ち着いてプレーするというのが必要だと思います。ただ、守備の部分はある程度対応はできているのかな。でも、自分の持ち味はやっぱり攻撃なんで、そこにいかに絡むかというのは課題でもあります」
――しかし、第16節・鳥取戦の自身プロ初ゴールは後半ロスタイムの逆転弾とあって、かなりグッと来るものがあったんじゃないんですか?
前野「そうですね。ホームでの初ゴールが決勝点だったということは、嬉しいことですね。あれはみんなの気持ちが入ったゴールだったので、みんなのものです」
――小笠原選手は、ゴールこそまだありませんが、あと一歩という機会は何度も作れていますよね。
小笠原「“入った”って思えるシュートも多いんで、悔しいところはありますね。でも、悪いシュートは打ってないつもりだし、枠にも行っているので、時間の問題という感覚はあります。あとは、それに向けての準備とか、献身的に守備をしたり、ポストプレーをしたりすることも必要だし、それらもしっかりしていたら、ゴールも近づいてくると思います」
――それぞれ愛媛FCのスクール出身ですけど、ここを選んだ理由は?
小笠原「多分、その時は漠然とだったと思います。近くにクラブチームっていうのがそんなになかったし、僕が所属していた小野FCは小学校3年生からだったんで、早くサッカーがしたいというのがあったから」
前野「僕は、生まれたのは愛媛なんですけど、3歳から香川に行ってて、愛媛に帰って来る時に、それまでお世話になっていた監督に『こういうチームがあるから行ってみたらどうだ?』と言われて。僕は何もわからなかったんですけど、その話を聞いて決めました」
――二人はずっと同じキャリアを過ごしてきましたけど、そもそも初めて顔を合わしたのはいつなのですか?
小笠原「小6なんですけど、その時の思い出話があるんです。(前野選手が)初めてスクールに来て、その1週間後くらいに全日本少年サッカー大会っていう大事な大会があって、僕の所属していた小野FCは優勝候補だったんですよ。で、初戦で当たったのが岡田小やったんです。岡田小は、そこそこ強いくらいのチームでした。そこに、急に前野が入っていて、その1週間前に会ってはいたけど、そんなにすごいヤツとは思ってなかったんです。でも、その試合で前野一人にやられて、優勝候補だったのに1回戦負けしちゃったんです。で、そのあとまたスクールで会って、“アイツやん!”みたいな。でも、負けましたけど、それがきっかけで仲良くなりましたね。でも、憎たらしかったです(笑)」
――二人はお互いのことをどう思っていますか?
前野「(小笠原選手は)得点能力のある選手だと思っていますし、中学、高校から得点能力は優れていました。それはセンスもあるんでしょうけど、多分、努力の賜物でもあると思います」
小笠原「前野は昔からそうなんですけど、けっこう何でもできたっていうか、苦手なことがなくて、ズル賢いっていう感じ。それはサッカーでもそうですけど。私生活は・・・普通か?(笑)でも、サッカーでは、攻撃的な部分はすごかったし、前野のクロスとかで何点も決めさせてもらったので、やっぱりFWとしては良い存在。攻撃の面だけじゃなく、守備の面でも前野のところから抜かれることもあんまりなかったし、チームの中では絶対的な存在でもありました」
――二人とも関西の大学に進学し、プロとして勝負するという思いはやはり強くなりましたか?
前野「不安もあり、逆に期待もあり、っていう感じでした。いろんな選手とか見てきて、正直なところ不安はありましたけど、自分がどこまで通用するのか、思い切ってやってみたいという気持ちも強かったです」
小笠原「僕が関西の大学を選んだのは、プロになるっていう親との約束もあったので。小さい頃から愛媛で育ってきて、この愛媛FCに入りたいとずっと思っていました。今、その夢は叶いましたけど、目標はこれからひとつひとつ出てくるし、今だったら初ゴールっていうのがあるので、続けて頑張っていきたいと思います」
――プロとしてプレーする喜びというのは?
小笠原「すごく多くのサポーターの方が観に来てくれるんで、そういう中でプレーするのはホントに楽しいです。自分が良いプレーをしたら、応援歌とかも歌ってくれるし、そういう面でも今はプロの面白さというのを感じています」
前野「でも、多くのサポーターの方が観に来てくれるからこそ情けないプレーはできないというのはもちろんありますし、僕らは特に地元出身の選手という感じで見られているんで、余計に特別な気持ちをもってプレーしないといけないと感じています」
――今後どのような選手になりたいですか?
小笠原「チームが苦しんでいる時にゴールを決めれる選手。この前(第16節・鳥取戦)のマナブ(齋藤選手)みたいに、プレーでチームやサポーターを引っ張っていけるような選手になりたいと思います」
前野「僕は信頼感のある選手になりたい。“コイツがボールを持てば何かが起こる”っていうふうに思われる選手になるのが目標です」
――これから愛媛でサッカーを始めようと思っている人からすれば、この愛媛からプロになった前野選手や小笠原選手は憧れの存在だと思うのですが、そういう人たちに対してはどういう言葉を送りたいですか?
小笠原「僕に関しては、体が大きくないけれど、技術的な部分だったり、自分に伸ばせるところをしっかり伸ばせば、どこか劣っているところがあってもやれるんだぞっていうところは、これからサッカー選手を目指す子供たちにもそういう気持ちは持っていてほしいですね」
――プロになるために、一番必要なものは?
前野「やっぱり努力ですね。僕たちも努力なしではここまで来れなかったと思います。僕らの時代は土のグラウンドでやっていたけど、今は人工芝のグラウンドがあるし、環境面は良くなっているので、僕たちと同じように努力すれば、それ以上に上に行ける可能性もあるはずです」
――そう、二人に続く、これからの新しい才能の出現は大いに期待したいところですね。
取材日 2011.6.14 協力/いよてつ高島屋
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小笠原 侑生(おがさわら ゆうせい)
1988年4月16日生まれ・松山市出身
小学校1年の時に愛媛FCスクールに入り、以降もJrユース、ユースと下部組織(アカデミー)でエースストライカーとしてメキメキと実力を付ける。高校卒業後、京都産業大学を経て、今季より念願の愛媛FCへの加入を果たした。

前野 貴德(まえの たかのり)
1988年4月14日生まれ・松山市出身
小学校6年の時に愛媛FCスクールに入り、それ以来、小笠原選手とは良きパートナーに。ポジションは左サイドバックで、思い切りの良い攻撃が持ち味。U-18日本代表にも選出され、U-18ブラジル代表からゴールを奪うなど、育成年代から活躍。