スペシャルインタビュー OrangeLife VOL.8

選手という立場を離れて見えてきたものを“言葉”のバトンに変え、今、現役選手に贈る・・・
青野「選手を辞めてみて、裏方になって気づいたことなんやけど、現役の時は『サポーターとか関係者に感謝してる』みたいなことを言ったりするよね。それは定番のコメントとしてあるわけだけど、実際のところ、それをどれくらいの気持ちで言ってる?まぁ、これは載っちゃうけどね(笑)」
越智「!?…載っちゃうんですよね(笑)…まぁ、でもそれはやっぱり感謝してますよ」
青野「もちろん俺も(現役の時は)そう思っていたんやけど、裏方の仕事を知って、それ以上に感謝していかないかん人だとか、その度合いっていうのは大きいなって。でも、もちろん選手の時って裏方の人が何をやってるかわからんやろ?」
越智「まぁ、そんなには…」
青野「ボランティアの人が来てるっていうのはわかる?」
越智「あ、それはわかります。一回やったことあるんで。去年、1年目の新人研修で」
青野「俺も選手を8年やってきたけど、そういうのって当時は全然理解してなかった。ボランティアの人ってサッカーが好きで来てくれている人が多いんやけど、試合も観れない状況の中で働いてくれているんよね。それってすごいこと。普通サッカー好きやったら試合観たいやん。でも、そんな中、裏ですごい頑張ってくれてる。他にもいろいろあるんやけど、そういうのって裏方になって初めてわかったし、それがわかっただけ自分は幸せだと思ってる。それがわかったからこそ今の選手にちょっとでもわかってもらえたら、そういう人たちに対する考えや接し方とか変わるし、プレーの方にも良い影響が出るんじゃないかと思う。これ真面目な話ね」
越智「大さん(青野)が今やってる仕事ってどんな感じなんですか?」
青野「基本は小学生、もしくは中学生の(サッカー)スクールかな」
越智「じゃあ、選手の時の楽しさが『10』やったとしたら、今の仕事ってどれくらいですか?」
青野「う~ん…相当低いなぁ。というより、低かったと言った方が正しいかな。ちょっとずつ上がってきている。そうやなぁ、やり始めた頃は…『3』とか(笑)。いや、ホンマに。こんなこと言ってたらあかんと思うんやけどね。でも、数字に表すのって難しいんやけど、最初は正直あったと思う。でも、それはサポーターの前でプレーしてワーワー言われてるのがどれほど幸せなことかってことでもある。それと比較したらやっぱり差はあったけど、今ようやっと仕事にも慣れて、半年以上見てきた子供たちとの信頼関係ができてきて、上達していってるのを感じれる楽しさというのは出てきた。サッカーだけやなく、挨拶だとか人間面での成長も含めて見ていけるというのも嬉しいな」
越智「今、大さんが教えてるスクール生とかが、別格の選手になって欲しいっすね。大さんが教えたからキックめっちゃウマいとか」
青野「そうなりたいよね。将来的には」
越智「(今季の)プレー、見ててどうっすか?それが一番知りたいです。大さんとは去年一緒にプレーやってたけど、今は違う立場から見ているから、そのへんはどうなのかなと思って」
青野「もちろん俺が見ての感想はいろいろ言えるんやけど、いろんな所に行った時に接する子供とかにゲームでビブスを渡す時に、オレンジのビブス渡したら『わぁ、愛媛FCや~』言うて喜ぶ子もいるんやけど、『愛媛FC弱いからオレンジは着たくない』っていう子もいる。そういう悲しい現実もあるんよね。俺の身近な人で、サッカーあまり知らない人からも、『愛媛FCってなんでバックパスばかりしてるの?サッカーはゴールに向いていくんじゃないの?』って。素人の意見やから深く考えずに言っているんやけど、実はそういう人らの言ってることはサッカーやってる人が一番目指したいことなんよね。ゴールに直結するプレーだとか。だから、すごい的を射てる。俺も全く同じで、バックパス、横パスっていうのが多いかなと思う。サポートの質だとか、スピードも足らんから球も配球できん。越智はボランチやから配球する方が多いと思うんやけど、回りのサポートのこともあるし、自分の問題っていうところもあると思う。でも、俺が思うに、去年1年お前と一緒にやってきて、サッカー自体はわかってると思う。こうしたい、こうするもんなんやっていうのはわかっている。俺なんかはその歳ではわかってなかった。俺らの時って攻撃の原則とか、守備の原則っていうは頭になくて、本能っていうか、感覚でやってたところがある。でも、プロに入って壁にブチ当たってからはいろいろ考えるようになったし、良い指導者に出会ったりしたことでサッカーがわかってきた。そういうのを考えると今の時点では越智はわかってるんやなと思う。あと感じたのは、お前の中でも自信がある時とない時があると思うんやけど、自信がある時っていうのは良いプレーしてたし、意図のあるプレーができていたよ。実際、ここ最近のゲームでは自信持ってやってるんじゃないかな。体が動く、動かないという調子はあっても、サッカーがわかっていれば、そんなに波は出てこない。越智はサッカーをする上で何が大事やと思う?」
越智「何が大事…。う~ん、自信を持ってプレーすることですかね」
青野「じゃあ、なんで自信が必要なの?」
越智「なんで自信っすか!?えぇっ…!?」
青野「自信がある時って、『今日はボール取られない』とかって感じない?
越智「あっ、思います」
青野「その時、何が良いから調子が上がってるってわかってる?」
越智「それがわかんないっす」
青野「俺も若い時はわからなかった。でも、それがわかりだすと調子の波がなくなってくる。あと、俺がサッカーで思うのは、ポジショニングとタイミングを極めていったらドンドン良くなっていくということ。プレッシャーがないところではうまく蹴れるのに、プレッシャーがあったら蹴れんっていうのは、余裕がなかったりするわけで、そういうポジションを見つけ出すとか、どういうタイミングで受ければ良い状況を作れるかを考えながらやると良いと思う。それは守備にだって同じことが言える」
青野「1シーズンの長い間の中では波もあるから、『今は自信持ってやってる』、『今は自信なくしてるんちゃうか』っていうのは見えたりするけど、1年目や今季の始めよりは全然余裕は出てきたんじゃないかなと思う」
越智「それは、去年と比べて余裕は持てているのは感じてます。特に自分で意識して変えようっていうのはなかったけど、試合に出だして自然と『やれる』と思い始めてから変わってきたのかなと。コンディション作りってどうしてたんですか?」
青野「選手として、どういうところを目指してるんかな?もちろん現状で良いとは思ってないと思うけど」
越智「行けるところまで行きたいっす。代表とか、海外とか」
青野「それは、どれだけ本気で思ってるかで取り組み方は変わってくるよな」
越智「そうっすね。…まずはロンドン(五輪)は目指してます」
青野「そういうのを恥ずかしがって言ってちゃダメ。ホントに大真面目にやってやろうっていう気持ちで臨まないと」
越智「まずは個人の能力を上げるってことが一番やと思うんで、それは練習でも意識してやってます」
青野「そのためにはまずJ2抜け出さなね。俺もJ1でそんなに出てはないけど、J1とJ2の差っていうのはいろんな面ですごい大きいと思う。そこにまだ踏み込んでないし、その差っていうのは経験しないとわからないもんやから。とにかく越智はまだ若いんやし、細かいことは考えずに自分が上に成長できるよう頑張ってもらいたい。それが勝手にチームのためになっていくと思うしな。長年やっていけばいろんなことを考えるようになるけど、若い今は突っ走って欲しい」
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越智「!?…載っちゃうんですよね(笑)…まぁ、でもそれはやっぱり感謝してますよ」
青野「もちろん俺も(現役の時は)そう思っていたんやけど、裏方の仕事を知って、それ以上に感謝していかないかん人だとか、その度合いっていうのは大きいなって。でも、もちろん選手の時って裏方の人が何をやってるかわからんやろ?」
越智「まぁ、そんなには…」
青野「ボランティアの人が来てるっていうのはわかる?」
越智「あ、それはわかります。一回やったことあるんで。去年、1年目の新人研修で」
青野「俺も選手を8年やってきたけど、そういうのって当時は全然理解してなかった。ボランティアの人ってサッカーが好きで来てくれている人が多いんやけど、試合も観れない状況の中で働いてくれているんよね。それってすごいこと。普通サッカー好きやったら試合観たいやん。でも、そんな中、裏ですごい頑張ってくれてる。他にもいろいろあるんやけど、そういうのって裏方になって初めてわかったし、それがわかっただけ自分は幸せだと思ってる。それがわかったからこそ今の選手にちょっとでもわかってもらえたら、そういう人たちに対する考えや接し方とか変わるし、プレーの方にも良い影響が出るんじゃないかと思う。これ真面目な話ね」

青野「基本は小学生、もしくは中学生の(サッカー)スクールかな」
越智「じゃあ、選手の時の楽しさが『10』やったとしたら、今の仕事ってどれくらいですか?」
青野「う~ん…相当低いなぁ。というより、低かったと言った方が正しいかな。ちょっとずつ上がってきている。そうやなぁ、やり始めた頃は…『3』とか(笑)。いや、ホンマに。こんなこと言ってたらあかんと思うんやけどね。でも、数字に表すのって難しいんやけど、最初は正直あったと思う。でも、それはサポーターの前でプレーしてワーワー言われてるのがどれほど幸せなことかってことでもある。それと比較したらやっぱり差はあったけど、今ようやっと仕事にも慣れて、半年以上見てきた子供たちとの信頼関係ができてきて、上達していってるのを感じれる楽しさというのは出てきた。サッカーだけやなく、挨拶だとか人間面での成長も含めて見ていけるというのも嬉しいな」
越智「今、大さんが教えてるスクール生とかが、別格の選手になって欲しいっすね。大さんが教えたからキックめっちゃウマいとか」
青野「そうなりたいよね。将来的には」
越智「(今季の)プレー、見ててどうっすか?それが一番知りたいです。大さんとは去年一緒にプレーやってたけど、今は違う立場から見ているから、そのへんはどうなのかなと思って」
青野「もちろん俺が見ての感想はいろいろ言えるんやけど、いろんな所に行った時に接する子供とかにゲームでビブスを渡す時に、オレンジのビブス渡したら『わぁ、愛媛FCや~』言うて喜ぶ子もいるんやけど、『愛媛FC弱いからオレンジは着たくない』っていう子もいる。そういう悲しい現実もあるんよね。俺の身近な人で、サッカーあまり知らない人からも、『愛媛FCってなんでバックパスばかりしてるの?サッカーはゴールに向いていくんじゃないの?』って。素人の意見やから深く考えずに言っているんやけど、実はそういう人らの言ってることはサッカーやってる人が一番目指したいことなんよね。ゴールに直結するプレーだとか。だから、すごい的を射てる。俺も全く同じで、バックパス、横パスっていうのが多いかなと思う。サポートの質だとか、スピードも足らんから球も配球できん。越智はボランチやから配球する方が多いと思うんやけど、回りのサポートのこともあるし、自分の問題っていうところもあると思う。でも、俺が思うに、去年1年お前と一緒にやってきて、サッカー自体はわかってると思う。こうしたい、こうするもんなんやっていうのはわかっている。俺なんかはその歳ではわかってなかった。俺らの時って攻撃の原則とか、守備の原則っていうは頭になくて、本能っていうか、感覚でやってたところがある。でも、プロに入って壁にブチ当たってからはいろいろ考えるようになったし、良い指導者に出会ったりしたことでサッカーがわかってきた。そういうのを考えると今の時点では越智はわかってるんやなと思う。あと感じたのは、お前の中でも自信がある時とない時があると思うんやけど、自信がある時っていうのは良いプレーしてたし、意図のあるプレーができていたよ。実際、ここ最近のゲームでは自信持ってやってるんじゃないかな。体が動く、動かないという調子はあっても、サッカーがわかっていれば、そんなに波は出てこない。越智はサッカーをする上で何が大事やと思う?」
越智「何が大事…。う~ん、自信を持ってプレーすることですかね」
青野「じゃあ、なんで自信が必要なの?」
越智「なんで自信っすか!?えぇっ…!?」
青野「自信がある時って、『今日はボール取られない』とかって感じない?
越智「あっ、思います」

越智「それがわかんないっす」
青野「俺も若い時はわからなかった。でも、それがわかりだすと調子の波がなくなってくる。あと、俺がサッカーで思うのは、ポジショニングとタイミングを極めていったらドンドン良くなっていくということ。プレッシャーがないところではうまく蹴れるのに、プレッシャーがあったら蹴れんっていうのは、余裕がなかったりするわけで、そういうポジションを見つけ出すとか、どういうタイミングで受ければ良い状況を作れるかを考えながらやると良いと思う。それは守備にだって同じことが言える」
青野「1シーズンの長い間の中では波もあるから、『今は自信持ってやってる』、『今は自信なくしてるんちゃうか』っていうのは見えたりするけど、1年目や今季の始めよりは全然余裕は出てきたんじゃないかなと思う」
越智「それは、去年と比べて余裕は持てているのは感じてます。特に自分で意識して変えようっていうのはなかったけど、試合に出だして自然と『やれる』と思い始めてから変わってきたのかなと。コンディション作りってどうしてたんですか?」
青野「選手として、どういうところを目指してるんかな?もちろん現状で良いとは思ってないと思うけど」
越智「行けるところまで行きたいっす。代表とか、海外とか」
青野「それは、どれだけ本気で思ってるかで取り組み方は変わってくるよな」
越智「そうっすね。…まずはロンドン(五輪)は目指してます」
青野「そういうのを恥ずかしがって言ってちゃダメ。ホントに大真面目にやってやろうっていう気持ちで臨まないと」
越智「まずは個人の能力を上げるってことが一番やと思うんで、それは練習でも意識してやってます」
青野「そのためにはまずJ2抜け出さなね。俺もJ1でそんなに出てはないけど、J1とJ2の差っていうのはいろんな面ですごい大きいと思う。そこにまだ踏み込んでないし、その差っていうのは経験しないとわからないもんやから。とにかく越智はまだ若いんやし、細かいことは考えずに自分が上に成長できるよう頑張ってもらいたい。それが勝手にチームのためになっていくと思うしな。長年やっていけばいろんなことを考えるようになるけど、若い今は突っ走って欲しい」
「ファンクラブ専用ページ」にはオレンジライフ未掲載の内容を掲載しております!
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青野大介 [31歳・西条市出身] 【通算出場】J1/16試合・J2/70試合 高い技術と破壊力のある左足を武器に、主にボランチとしてプレー。ガンバ大阪やアルビレックス新潟などのJ1クラブに所属した後、2007年より愛媛FCに加入し、中心選手として活躍。今年から愛媛FCスクールコーチを務め、同時にクラブの普及活動にも励む。 |
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越智亮介 [20歳・今治市出身] 【通算出場】J2/29試合 ※29節時点 大分トリニータユースで頭角を現し、昨季より愛媛FCに加入。昨季は6試合の出場に留まったが、今季は第4節でJ初ゴールを奪うなど成長も著しく、レギュラーポジションを確保。副キャプテンも務める。今後もさらなる飛躍が期待される“愛媛の星”。 |